意識障害を示す患者さんの多くは神経系の疾患や異常をともなうものですから早期に診断・治療を行う必要があります。したがって意識障害の程度を評価することは疾患の重篤度や緊急性、さらに治療の有効性や症状の経過を判定する上で大変重要なことです。
しかし小児とくに乳幼児では意識内容に重要な役割を果たす大脳皮質の発達が未熟で、また意識内容を伝える言語機能が未熟で、他人に意識内容の変化を伝えることが難しいので、小児の意識障害を客観的に評価するのは大変に難しいものです。
そこで意識障害の指標には意識水準の低下の程度、すなわち覚醒の低下を指標にします。
判定の仕方は覚醒の程度によって大きく3段階に分けます。何もしないでも起きている状態。刺激すると起きる状態。刺激しても起きない状態の3段階です。
この3段階をさらに細かく分けていきます。
刺激しても起きない状態の中でも痛み刺激にまったく反応しないものがもっとも重い意識障害と判定されます。痛みを与えるとわずかに顔をしかめるとか、痛み刺激に手で払いのけようとするなどの動きが見られるものがこれに次いで重いものです。
刺激をすると起きる状態は、刺激を止めると眠り込んでしまうものです。これを刺激の強さで、普通の呼びかけだけで起きるもの、大きな声やからだを揺り動かすと起きるもの、痛み刺激を加えながらくり返して呼びかけるとかろうじて目を開けるものなどに分類します。
もっとも軽い意識障害では刺激しないでも覚醒している状態です。今ひとつはっきりしないとか、周囲の状況がわからない、自分の名前や生年月日がわからないなどに分けます。
このような意識障害を判定する方法はできるだけ簡単で、医師以外の医療スタッフや家族など誰が判定してもわかりやすい評価法が求められます。
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意識障害 -2-
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- カテゴリ: 小児科相談
2008年6月18日掲載