徳島県医師会 トップページへ

  • 文字サイズ標準
  • 文字サイズ拡大
文字サイズ変更について
県民の皆さまへ

 咳は子どもの風邪によく見られるありふれた症状ですが、長く続く咳を見た場合には咳の原因を正しく見極めることが大切です。

 子どもはよく風邪をひきますから、くり返す風邪によって咳が長く続いている場合があります。保育園や幼稚園などの集団生活が始まると、多くの子どもが風邪をくり返してひきます。治りかけてはひきなおすことで咳が長く続くように見えます。このような場合にはしばらく集団生活を控えることも大切です。

 感染症の中には長い間、咳が持続するものがあります。百日咳やマイコプラズマ肺炎、クラミジア感染症などは一度かかると数週間にわたって咳が持続します。

 これらの感染症は単独で発生するものよりも集団内や家族内での感染が多く見られます。とくに最近は成人の百日咳が増えていますから周囲の成人に咳が続く人がいる場合には百日咳の可能性も考えておく必要があります。百日咳では乳児期早期の予防接種歴(三種混合)の確認も大切です。

 咳が長く続く場合に多いものにアレルギーによる咳の持続があります。アレルギー疾患で咳が続くものの代表は気管支喘息です。喘息による咳の診断にはアトピー性皮膚炎などのアレルギー体質があることや、家族内に喘息を始めアトピーや鼻炎などの人がいること、咳は昼間よりも夜間、とくに夜明け前や早朝に多いこと、季節の変わり目に多い、呼吸時にゼーゼーとかヒューヒューという音が聞こえることがあるなどのことが参考になります。

 気管支喘息による咳には気管支拡張剤が有効ですから、薬剤に対する反応によって喘息を疑うこともできます。

 咳の原因に重い病気が隠れていることを疑わせる症状として持続する発熱、活動性の低下、成長障害や体重増加不良、呼吸困難、低酸素状態の持続などをともなう場合が挙げられます。このような症状があれば出来るだけ早期に精密検査を受ける必要があります。

2008年5月21日掲載

© TOKUSHIMA MEDICAL ASSOCIATION.