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県民の皆さまへ

 水痘は伝染性の強いウイルス疾患です。とくに集団生活や家族内で感染しやすいので注意が必要です。水痘は健康な子どもがかかった場合に比較的軽くすんでしまうことが多いために真剣に予防を考える人が少ないのかも知れません。

 しかし新生児や妊婦、成人がかかると思いもかけず重症になることがあります。またアトピー性皮膚炎や喘息などのアレルギー疾患を持つ人や、悪性腫瘍、ネフローゼ症候群などでステロイド療法や免疫抑制剤や抗がん剤による治療を受けて免疫低下状態にある人は重症になることがあります。

 現在、水痘にかかった場合にはアシクロビルという抗ウイルス剤を使って治療を行いますが、やはりかかってからの治療よりは予防に努めるべきです。予防には水痘ワクチンを使用します。

 水痘ワクチンは日本人が開発したワクチンです。このワクチンは大変すぐれたワクチンで、世界保健機関(WHO)に認められ全世界で使用されています。アメリカをはじめ世界中の多くの国が水痘ワクチンを定期予防接種に組み込んでいるのに対して、日本ではまだ任意接種のままです。したがって接種するか否かは接種者またはその保護者に任されていて、その費用も自己負担です。

 水痘は一年中発生する疾患ですが、多くは冬から春にかけて流行します。比較的流行が少なくなる春から夏にかけての時期がワクチン接種の適切な季節であるといえます。

 日本全国での水痘ワクチンの販売数と対象人口数から推測したワクチン接種率は約30%とされます。しかし徳島県の接種率は10%にみたないと言われ、これは全国一低い数字とされています。

 出来るだけ多くの人が水痘ワクチンを受けて不名誉な全国一ワクチン接種率の低い県という汚名を返上したいものです。  水痘ワクチンには重篤な副作用はほとんどありません。1歳を過ぎて麻疹・風疹ワクチンが修了した人は水痘ワクチンを接種することを勧めます。

2006年5月23日掲載

© TOKUSHIMA MEDICAL ASSOCIATION.