水痘は皮膚に水疱ができるウイルス疾患で伝染力の強い病気です。元気な子どもがかかると軽くすむこともありますが、免疫力が低下した人や体力がない子どもがかかると重症化して生命にかかわることもあります。
水痘の原因はヘルペスの仲間で水痘帯状疱疹ウイルス(水痘ウイルス)です。このウイルスは患者さんの上気道粘膜や皮疹の水疱中に多く含まれており、放出されたウイルスを上気道から吸い込むことで空気感染します。
水痘ウイルスが上気道粘膜に侵入するとその場所で増殖するとともに所属のリンパ節で増殖して血液中に入ります。次いでウイルスは肝臓や脾臓でさらに増殖して、再び血液中にはいり全身に散布されます。全身に散布されたウイルスが皮膚に感染して水疱を形成して水痘が発病します。
水痘の発疹は紅斑・丘疹・水疱・膿疱・痂皮(かひ=かさぶた)の順に出現します。発疹の出始めは小さい赤い発疹ですが、次第に中心に小水疱を形成して診断が明らかになります。水疱の内容が濁って膿疱となり、ついで頂上部分から黒いかさぶたができ始めます。水疱全体が痂皮になると水痘ウイルスは減少して伝染力を失います。
水痘の潜伏期間は約2週間で、もっとも伝染力が強い時期は潜伏期間中で、発病直後から発病後数日間です。発病後は約1週間で治ります。発疹の数は200~300個出現すると言われます。重症の水痘では発疹の個数が多く全身に発疹が配布されます。
水痘の発疹は強いかゆみをともないますからひっかいて水疱を破ることもあります。これにより細菌の二次感染を起こすこともあります。
水痘の伝染力は強く、集団内や家族内での発生にはとくに注意が必要です。母親の免疫は有効ですがウイルスに対する免疫量が少なければ新生児や乳児期早期でも水痘にかかることがあります。免疫力の乏しい時期にかかると重症化することがありますからとくに予防を心がけることが大切です。
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水痘(水ぼうそう)
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- カテゴリ: 小児科相談
2006年5月9日掲載