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 子どもは病気になると食欲がなくなり、どのような食事を与えればいいのかわからなくなります。とくに発熱や下痢、嘔吐がある時には何を与えても食べてくれず困ります。また病気の中には食べてはいけないものや無理をしてでも食べた方がいい場合もあります。病気が長引くと食事量とともに体力が落ちて病気の治りが悪くなることがあります。今月は食事の意味や子どもの食事習慣、食事と栄養について考えてみました。

 私たちは毎日の食事を取ることで必要な熱量を供給して生命活動を維持しています。生命活動を維持するのに必要な最低限の熱量を基礎代謝と言います。基礎代謝は年齢、性別によって決まりますから、新陳代謝が活発な乳幼児期には基礎代謝も多くなります。人の1日必要熱量は基礎代謝と、生活の中で行われる運動の強度、成長期の体重増加による付加熱量を加えて算出されます。1歳前後で体重が10kgくらいの乳幼児では1日の必要熱量は約1,000Kcalですから、成人の必要熱量2,000~2,500Kcalに比べると随分多くの熱量を必要とします。これは乳幼児期には相対的に基礎代謝が大きいことや体重増加にともなう付加熱量が大きいことによります。

 栄養必要量は熱量だけでなくそれぞれの栄養素については蛋白質、脂質、各種ビタミン類、食物繊維、ミネラルなどについて必要量が定められています。乳幼児の各栄養素の必要量は成人に比べると相対的に大きく、成長にともなう栄養の必要量が大きいことがわかります。食事は毎日することですから、各栄養素の必要量を過不足なく毎日摂取することが大切です。これを怠ると成長するにしたがってその過不足による弊害が大きくなります。

 食事は生きていくのに欠かすことはできません。単に生命活動を維持することだけでなく健康増進のためには毎日の各栄養素を量だけでなく質的にバランスよく摂取することが大切です。乳幼児期からよい食事習慣をつけたいものです。

2004年10月12日掲載

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