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県民の皆さまへ

 子どもが大人と違う点は、子どもには成長発達現象が見られることです。小児科が内科と違うところは、病気の診断・治療にあたって成長・発達を見ているところにあります。乳幼児健診の目的は子どもの病気を早期に発見することだけではなく、成長発達が順調であるかをチェックして、さらにその結果を踏まえて育児支援することにあります。最近は、子どもの数が減少するとともに、乳幼児死亡率の減少、病気の軽症化などが見られる反面、日常よく見られる些細な症状や状態について気軽に答えてくれる人が周囲に少なくなっています。育児情報誌やインターネットではなかなか適切な答えが得られない場合が多く、また情報量が多すぎてその取捨選択に迷うことがあります。このような社会環境の中で、小児科医による乳幼児健診は母親の育児不安を取り除く上でとても大切なものです。

 乳幼児健診のひとつの柱は身体計測です。身長、体重、胸囲、頭囲を計測して体格、栄養状態を判断します。これによって正しく栄養が補われているか、また適切な養育が行われているかが判断できます。異常なやせや肥満にはなにか疾患が隠れている場合や、適切な養育が行われていない可能性も考えなけばなりません。正しい食事習慣や生活リズムが出来ていない場合には、適切な指導とともにその後の経過を観察していくことが必要となります。

 健診のもうひとつの柱は発達についてのチェックです。発達は生理的機能や運動能力の成熟度を示すことばで、脳・神経の成熟と関係し、精神・運動機能の発達としてとらえることができます。成長は計測値で示すことができますが、発達は数量化することが難しく、詳しい問診に時間をかける必要があります。

 子どもの健診で見られる発達には新生児、乳児、幼児など月齢や年齢によって発達段階が違い、それぞれの時期によって個人差の幅が異なるためこれを考慮し、経験をつんだ小児科医が十分な時間をかけて行う必要があります。

2003年12月9日掲載

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