定期予防接種にはポリオ、BCG、三種混合(百日咳・ジフテリア・破傷風)、麻疹、風疹、日本脳炎ワクチンがあります。この中で1歳までに行うことが望ましいものはポリオ、BCG、三種混合ワクチンです。麻疹は1歳過ぎのなるべく早い時期に接種します。麻疹ワクチン接種までにBCGとポリオを2回、三種混合を3回接種する必要があります。 これらのワクチンは生後3ヵ月を過ぎれば接種することが出来ますが、ポリオとBCGは生ワクチンですから接種間隔は4週間必要です。三種混合をした後は1週間で他のワクチンを行うことが出来ますが、約1ヵ月毎に3回行わなければなりません。
これらの予防接種は、母親からの移行抗体があってあまり風邪などの感染症にかかることのない乳児期の前半までに済ませることが望まれます。
しかし予防接種が集団接種で行われている地域や個別接種の形をとっていても接種時期が限定されているような地域では、子どもの月齢に合わせて予防接種を進める訳にはいきません。集団接種では、地域によって接種時期が毎年ほぼ一定のスケジュールで行われています。その時期に合わせて待っているうちに、最もワクチンに適した時期を逃したり、その病気にかかってしまったり、他の病気のために限られた期間内に接種出来なくなることもあります。このような不都合は予防接種を集団で行っている限り解消されません。ワクチンは個別接種で行うことが望まれる訳ですが、財政的に無理があるとか、その地域に専門の小児科医がいないなどの理由で個別化が進まないこともあります。
そこで最近、全国的に近隣の市町村と予防接種の相互乗り入れ制度を取り入れる地域が増えてきています。新潟、大分から始まったこの制度は現在、全国的に広がりを見せ中四国でも、高知や岡山では全県的な相互乗り入れ制度が出来ています。徳島県でも予防接種の相互乗り入れ制度の必要性が認識されてきたところです。積極的に運動を進めていきたいと思います。
県民の皆さまへ
予防接種の広域化について 2
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- カテゴリ: 小児科相談
2003年10月21日掲載