昔の病気とおもわれていた結核が、40数年ぶりに増加傾向がみられたため、全国に結核緊急事態宣言がだされた。学校、病院、老人介護施設などで、結核の集団発生もみられている。本県の結核有病率は、全国でワースト3に入っており、特に注意が必要だ。
さて、乳幼児が結核菌に感染すると、通常の肺結核だけでなく、粟粒結核(結核菌が肺全体にひろがる重症な肺結核)や結核性髄膜炎(結核菌が脳や脊髄に入り、後遺症を残す重篤な結核)になることもある。
このような重篤な結核を予防するには、乳児期早期(3~4カ月)にBCG接種をしておくことが最も大切である。ただし、BCG接種で完全に結核の発病を防げるものではない。したがって、乳幼児を結核菌に接触させないこと、つまり、家族が結核にかからないようにすることが重要だ。乳幼児の結核の半数以上は、家族から感染している。家族内で、長期間(通常2
週間以上)つづく咳や微熱がみられたら、カゼだと思いこまないで、かかりつけ医に相談し、結核の早期発見につとめて欲しい。このように、乳幼児の結核予防には、乳児期早期のBCG接種と、家族の健康
管理が大切である。
県民の皆さまへ
乳幼児の結核
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