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間もなく海に山にプールに、子ども達の歓声がこだまする太陽の季節です。戸外で遊ぶことで子ども達は心身の鍛錬や心の安らぎを得ることが出来る。以前は日焼けした肌は健康のシンボルとされ、夏の終わりには日焼け大会や日光浴が、盛んに育児指導にもとりいれられた。
しかし、最近では過度に紫外線にあたることは皮膚の老化を早め、皮膚ガンや白内障の原因になったり、アトピー性皮膚炎が悪化することがわかってきたため、紫外線から皮膚を守る対策がとられるようになってきた。
しかも、フロンガスでオゾン層が破壊され、大量の有害紫外線が地上に届くようになった。紫外線の皮膚に対する好ましい働きとして、ビタミンDが作られると言うことがあるが、ビタミンDの補給はバランスの良い食事を心がけることで十分であり、ことさら日光浴をする必要はない。18歳までに生涯の半分以上の日光を浴びてしまう、と言われているように、大人が積極的に予防対策をとらなければ子どもは過度な紫外線を浴びてしまう。しかも、子どもは紫外線に対する感受性が高いため、その影響は大人より強く現れる。
子どもを紫外線から守る対策として、紫外線の強い時間帯(10時~14時)の外出を避け、長袖のシャツを着て、つばの広い帽子をかぶり、できれば日焼け止めクリームを塗ったり、サングラスを使ってみよう。赤ちゃんの外気浴や散歩は紫外線の少ない朝夕におこない、ベビーカーには日よけをつけ、戸外での遊びは出来るだけ木陰でするように指導し、プール遊びをするときはテントやパラソルで日陰を作ったり、首筋をおおうなどの配慮が大切だ。
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風疹は俗に「三日バシカ」と呼ばれているように、多くは発疹と発熱が主症状の数日間で治るウイルス感染症である。しかし、稀に血小板減少性紫斑病(血小板が少なくなるため血液が凝まりにくくなり、脳出血などが起こりやすくなる病気)や脳炎といった重篤な病気を起こすこともある。さらに妊娠の初期に妊婦が感染すると、白内障、心臓病、難聴などの先天性風疹
症候群児が高い確率で生まれることがある。
1964年アメリカで風疹の大流行があり、翌年には沖縄、さらに一年後には日本全国に広がった。その後は5~8年間隔で全国的な流行が繰り返され、最近では1992~1993年に小規模な流行があった。しかし、これ以後は全国的な流行はなく、近い将来大きな流行が心配されている。35年前の沖縄での風疹の流行では400人以上もの先天性風疹症候群児が生まれたといわれ、その後、流行が繰り返されるたびに、風疹にかかった妊婦の多くが人工妊娠中絶を受けている。このような不幸な出来事を繰り返さないためには、ワクチン接種をして、免疫を高めておくことが大切である。
我が国では風疹ワクチンは先天性風疹症候群を予防1977年より中学生女子を対象に接種していた。その後1994年の予防接種法の改正で幼児期に男女共に接種されるようになり、この変更で接種漏れとなる年代ができるので、経過処置として、小学校1年生と中学生にも接種するように変更された。ところが、全国的に学童の接種率が低くなっており、風疹の流行がない年が十年近くも続いているため、若い年代層では風疹の免疫がない人が増えていることから、近々風疹の大流行も懸念されており、学童の低い予防接種率は大変心配な事態といえる。学童に対する経過処置は2003年まであり、それ以後は予防接種法に基づく接種は接種は出来なくなるので、ぜひ風疹ワクチンを接種しておきましょう。
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今日では「タバコを吸うことは身体に良くない」ということは誰もが知っている常識となっている。さらに喫煙者の周辺にいる、自分の意志とは無関係にタバコの煙にさらされている受動喫煙者に悪影響が及んでいる、と指摘されている。WHOは1987年1月に、毎年5月31日を世界禁煙デーと、その後の一週間を禁煙週間とすることを決議し、喫煙による健康被害の啓蒙と禁煙運動の推進にとり組んでいる。
子どもとタバコの関係で早急な対応が求められている問題として、喫煙年齢の若年化と受動喫煙による健康被害がある。喫煙年齢の若年化対策としては家庭や学校での禁煙教育の一層の推進。さらにタバコのテレビコマーシャルや自動販売機の屋外設置の規制といった社会的な対応など、幅広い取り組みが要求される。
受動喫煙はタバコの害を理解できなかったり、自分の意志で逃れることが出来ない乳幼児ではとりわけ深刻な問題となる。受動喫煙が関連すると考えられている子どもの病気として、
1. 喉頭炎、気管支炎、肺炎などの呼吸器の感染症
2. 気管支喘息
3. 中耳炎
4. 乳幼児突然死症候群(それまで元気であった乳幼児が突然死亡する
原因が不明な病気で、多くの調査から妊娠中を含め、
母親の喫煙が発生率を高めると考えられている)
5. 成長、発育の後れ(胎児期・生後ともに影響があると考えられていて、
流産や死産の原因の一つにもなっていることも指摘されている)
などがある。
このような受動喫煙による健康障害から子どもを守ることは大人の責任である。又、身近でタバコを吸っている親しい人を見ることは子どもが喫煙に関心と興味を持つことにもなり、子どものいる場所では喫煙をしないという強い意志を持つべきではないだろうか。
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ペットの毛、フケ、乾燥した糞を吸い込むことで気管支喘息やアレルギー性鼻炎になったり、悪化することがある。本人や家族がアレルギー疾患の場合は金魚や熱帯魚などの水棲動物を飼育するのがよい。
次に国内でみられるペットからうつる主な感染症は、
1. イヌ・ネコ回虫症 :
イヌやネコの回虫卵に汚染された砂場での砂遊びや、ペットの体毛に付着した虫卵がゴミとともにヒトの口に入り感染する。予防のためには砂遊びの後の手洗い、ペットの丁寧な糞の処置や駆虫をすることが大切。
2. ネコひっかき病 :
原因菌が最近発見された病気で、ネコにひっかかれたり噛まれることで感染する。症状は局所が赤く腫れ、微熱が続き、リンパ節が腫れる。予防はネコノミの駆除と爪を切ることや、ネコによる外傷を避けること。外傷を受けた場合は傷口をよく洗い、消毒をすること。
3. エキノコックス症 :
北海道のキツネなどから感染することがあり、流行地ではキツネに触れたり、沢の水や山野草を生食しないこと。
4. トキソプラスマ症 :
ネコの糞が口に入ったり、ブタ肉の生食が原因になる。妊婦が感染すると、流産や死産となったり、将来生まれた子どもが先天性トキソプラスマ症になることがある。
5. Q熱 :
イニやネコの糞とともに排泄された病原体を吸い込んで感染し、高熱、頭痛、筋肉痛などインフルエンザ様の症状や肝炎が起こる。動物が妊娠すると病原体数が増加するので、ペットの胎盤の処理には注意が必要である。
6. オウム病 :
鳥類(セキセイインコのことが多い)の糞中に排泄された病原体を吸い込んだり、口移しの餌付けの際にうつり、肺炎になる。治療には抗生剤が有効で、予防は病気になった鳥の治療と糞の処理には注意して欲しい。
7. 胃腸炎(エルシニア症、カンピロバクター症、赤痢、サルモネラ症など) :
ミドリガメ、サル、イヌ、ネコなどの排泄物が口に入って発病する。ペットに触ったり、糞の処理をした後は丁寧に手洗いをすることが大切。
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最近は大変なペットブームで子ども達の身辺にペットがいたり、子ども達自身が飼育を担当していることが多くなっている。子ども達にとってはペットを飼育することで、命の大切さや他者に対する思いやりを学んだり、継続した世話をすることで、現代の子どもに最も欠けているとされている忍耐力を養うことが出来る。また、ペットを観たり、触れたり、抱いたりすることで、心が癒され、自閉症や不登校の子どもの治療法の一つとして注目されている。
しかし、ペットを飼育することは功の反面、ペットが原因となり、発病する病気といった罪の部分があることも、知っておく必要がある。これにはペットの毛やフケ、乾燥した糞を吸い込むことで、気管支喘息やアレルギー性鼻炎になったり、悪化したりすることがある。またペットに寄生したり感染している寄生虫や病原性微生物がヒトに感染して病気にかかることがある。
最近のように飼育されているペットの数や種類が多くなるにつれ、ペットからうつる病気の数、種類ともに増加しており、このような病気に関する知識をもつことが、今後一層大切になる。そこで日本国内でみられる主な感染症については「ペット飼育の功罪(その2)」と
して次回に解説する。
ペットからうつる病気を予防し、ペットと上手につきあうためには以下のようなことを心がける必要がある。
1. ペットを清潔に飼育し、排泄物の処置は丁寧に行う。
2. ペットとの過度なスキンシップはさけ触れた手は洗う。
3. ペットの健康状態に注意を払い、死体は慎重に扱う。
4. 飼っているペットからうつる病気に関する知識を持ち、ヒトに疑わしい症状が出たときは
早く診察を受ける。その際医師にはペットを飼育していることを詳しく話すこと。