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- カテゴリ: 小児科相談
徳島県小児科医会 日浦恭一
ワクチンで予防することができる期病がたくさんあります。ヒブは乳児の細菌性髄膜炎の主要な原因菌ですがワクチンで予防できる病気です。日本ではヒブワクチンの導入が欧米に比べて20年遅れたと言われます。この間に日本では生命を落とす子や重篤な後遺症に苦しむ子どもがたくさん発生しました。世界各国ではヒブワクチンの導入によって乳児の髄膜炎は過去の病気になっています。
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徳島県小児科医会 日浦恭一
日本で行われている予防接種は外国に比べて定期接種が少なく任意接種が多いのが現状です。外国では多くの国でヒブも小児用肺炎球菌も水痘もおたふくかぜワクチンも定期接種になっています。日本と外国のワクチン行政の差がワクチンギャップです。日本は世界の中でワクチン後進国と言われています。
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徳島県小児科医会 日浦恭一
食物アレルギーの原因食物は年齢によって異なります。乳児期によく見られる原因食物は多い順に卵、牛乳、小麦、大豆、ピーナッツ、ゴマ、魚、肉です。
学童や成人に見られるアレルギーの原因食物はエビ・カニなど甲殻類、魚類、小麦、卵、ソバ、貝、果物、ナッツ類の順となります。
食物アレルギーの症状の出かたはその時の体調によって異なることがあります。同じ食物であっても初めて摂取した時と過去に何度か摂取したことがある時とでは症状の出かたが異なります。加熱、非加熱の違いや摂取量の違いも大切です。わずかな量では症状が出なくても多く摂取すると症状が表れることがあります。
食物アレルギーを考える場合に食物以外の状況を明らかにしておくことが大切です。運動との関係、同時に使用していた薬剤、イヌやネコなどペット、植物やゴム製品との接触の有無を確認しておきます。
さらに本人および家族のアレルギーの有無も大切です。食物アレルギー、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、花粉症、薬剤アレルギーの有無を確認しておくことは大切な鑑別点になります。
食物アレルギーでは原因食物も症状も年齢とともに変化する可能性がありますから食物除去などの治療も変更します。アナフィラキシーなど重症の食物アレルギーは専門医に相談する必要がありますが、成長にともなって治療内容を見直すことも必要です。
徳島新聞2010年10月27日掲載
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徳島県小児科医会 日浦恭一
食物アレルギーの原因を診断する時にもっとも大切なことは、何を食べて、どのような症状が出たか、どのような状態で出たのかを詳しく問診することです。食物アレルギーの大部分は問診で疑われます。
食物アレルギーは粘膜・皮膚・消化器・呼吸器・全身の症状として現れます。
原因食物摂取後もっとも早く症状が現れる場所は粘膜です。症状は口腔粘膜から口唇、舌、咽頭、喉頭に広がり、眼球の症状も見られます。口腔粘膜や口唇、舌の違和感や腫脹、のどの痒み、イガイガ感、喉頭の違和感、喉頭の絞扼感、喉頭浮腫、かすれ声などが見られます。眼の症状としては眼球結膜の充血や浮腫、そう痒感、流涙が出現します。
皮膚症状としては、かゆみ、じんま疹、皮膚の発疹が見られます。目の周囲の浮腫や顔全体の浮腫も多く見られます。
消化器症状としては腹痛、悪心、嘔吐、下痢、血便などが見られます。
呼吸器症状としてはくしゃみ、鼻水、鼻閉などの上気道症状が見られる他、せき、喘鳴、呼吸困難が出現します。全身症状としてはアナフィラキシーで、顔色不良、ぐったりした虚脱状態、傾眠などの意識障害、血圧低下などのショック症状が見られます。
特別な食物を摂取した後に上のような症状が現れた場合には食物アレルギーを疑い、原因食物の確定と除去が必要となります。
徳島新聞2010年10月20日掲載